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2008年 個展に寄せて

 


                                坂口陽子 (薬剤師 童話作家)

 江花先生との出会いはまだ小学校の頃。先生は絵が好きな私に絵かきになる種を心に植えてローマに去って行きました。 種は目を出し絵で賞をいただけるようになりました。しかし私は美大ではなく、薬科大へと進み、大学の傍ら絵や絵本を描いていました。その頃に江花先生の個展で見た絵はまさに一枚の絵本。あちこちから音楽やおしゃべりが聞こえ、絵を見て初めて涙がでました。そこから絵本を描くように、一枚の絵に物語をこめて描くようになりました。

 そして今年は江花先生と一緒にボローニャへ絵本の見本市に行き、私の目指す世界をはっきり感じました。そして先日私の初めての個展を開催し、調剤薬局での仕事の傍ら描きためた絵本の原画や、わたしなりの一枚の絵本を展示できたように思います。先生の植えた種は先生に会うたび少しずつ成長してようやく小さい花をつけました。 来年は先生の住むローマに短期ですが住む予定です。また今回の個展で先生の作品に出会い、私の心の種は次はどんな成長を見せるのか今からとても楽しみです。

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